日本酒の選び方

みなさんは、日本酒が何種類あるか、ご存知ですか?実は平成29年度の1371社ありました。(国税庁HPより)酒蔵の数だけでも多いのに、銘柄となるとこの何十倍にもなります。

そもそも、酒屋に並んでいる日本酒だけでも、数えきれないくらいですよね。どれを選んだらいいのかよくわからなくなる人もいると思います。

今日はそんな日本酒の選び方を徹底的にご説明します。

 

この記事は、日本酒沼に片足を突っ込みかけている方、好きな日本酒ばかりを飲んでいるけれど、もっといろんな日本酒について知りたい。数多ある日本酒の中から好きな日本酒を見つけたい方に向けて具体例を用いて説明していきます。

単に選び方といっても、いろんな方法があります。

 

●日本酒の味わいに注目した選び方(チャート)

●ストーリーや地域、造り手の想いに寄り添った選び方

●料理とあうものをペアリングする選び方

●わからないならとりあえず試しちゃおう!最初に飲むならコレ!日本酒5選

●プロに選んでもらおう!おまかせセットのサービス

 

この記事ではこちらの5つを日本酒の専門家である筆者が徹底的にご紹介します。

●日本酒の味わいに注目した選び方(チャート)

 

この選び方においては、日本酒の味わいを4つに分類します。こちらは、レストランなどで日本酒を提供するときにお客様にわかりやすく提供するために独自につくった軸ですので、他の方のチャート表とは少し異なる部分がございます。

日本酒もそれぞれ味わいが違うのですが、しっかりした味わいのものにも、香りが華やかなものと、穏やかなものがありますし、同様に、すっきりした味わいのものにも、香りが華やかなものと、穏やかなものがあります。

あなたが普段飲んでいるものが、味わいがしっかりしているのか、どうなのかわからないときには、日本酒に詳しい方(酒販店さん)に特定の銘柄を伝えればわかるでしょう。ですが、ネットで検索しているあなたは今知りたい、自己解決したい、そう思われているかもしれません。

 

例えば、こちらの日本酒。

ご存知ない方がほとんどだと思いますが、最近酒蔵復活に向けて委託醸造(他の蔵で試験的に醸造させてもらっている)をしている愛知県の伊東合資会社の敷嶋という日本酒です。

こちらの場合は香りは若干華やかで、味は比較的しっかりとしています。(他にも細かく言えば酸やガス感もありますが、ここでは省略)

あなたが好き!と思った日本酒が日本酒全体でみてどのように評価されるのかを知ったら、飲食店さんでも頼みやすいですし、酒屋さんでも選びやすくなります。

 

ネット上で完結したい場合でしたら、銘柄を検索してその日本酒のレビューを見てみると、どういう表現をすればいいのかわかると思います。できれば酒屋さんのレビューなどプロが書いたブレの少ないレビューがいいでしょう。

 

例えば上の敷嶋であれば、「しゅわっとする甘口な飲み口。爽やかで飲みやすい。旨味あり、透明感あり。」といったレビューがネット上に書かれています。

「華やか、旨味あり」ということで、上の図では右上に位置するお酒です。

 

お店で選ぶときは「華やかで旨味のあるお酒」はありますか?と質問したり、もしくは書かれているレビューを

そのまま伝えてもいいと思います。きっと似たような味わいのお酒を紹介していただけます。

 

 

 

●ストーリーや地域、造り手の想いに寄り添った選び方

 

 

日本酒は日本全国1000社以上で造られていますが、蔵の歴史というのはその蔵ごとに違います。

米を育て、地域の水を使い、人の手で醸す。米を育てるところから一貫して蔵で全てを行う酒蔵があったり、酒造りだけに専念する蔵があったりと、それも個性です。

 

例えば、こちらの写真は真澄という日本酒を醸す宮坂醸造の蔵です。

清酒鑑評会で上位入賞を繰り返していた真澄に注目した研究者たちが宮坂銘醸で7号酵母という優良酵母を発見したという歴史のある蔵です。

また、前の項目で取り上げた敷嶋は、一度廃棄した醸造免許をまたとり、蔵を復活させようと委託醸造日本酒を造り、次年度から本格的に自社の蔵で酒造りをはじめる挑戦をしている蔵です。

 

それぞれの蔵にこういったストーリーや歴史があり、それぞれに想いが込められています。

 

ストーリーで選ぶのは、味はどれも美味しくて決められない・・・そういう方におすすめの選び方です。

 

酒屋さんに聞くとネットには載っていないストーリーも聞けるかもしれません。また、今は酒蔵さんもSNS発信に力を入れているところも多くあります。好きな銘柄ができたらぜひ検索してみてください。

 

●料理とあう日本酒をペアリングする選び方

 

 

ペアリングというと難しく考える人もいるかもしれませんが、唐揚げにはビール!ステーキには赤ワイン!のように普段からお酒を飲む人であればパッと思いつくのではないでしょうか。実は日本酒のペアリングも慣れればパッと思いつくもの。

 

コース料理の食前酒としてはスパークリング日本酒や、爽やかなものの中でアルコール度数の低いものを選んでみて、炭酸で胃腸の働きを促しながら、ウォーミングアップを。

お肉料理にはどっしりとした純米酒や、数年熟成させた日本酒を合わせるとお料理の旨味をより引き立ててくれます。

また、お酢を味付けにつかうお料理には酸で統一感をだしたり、ドレッシング感覚で酸味を足して、味を補うというのも、少し上級なテクニックになりますが、面白いペアリング方法です。

 

また、デザートに合う日本酒というのも存在します。甘いアイスに貴醸酒をかけてみるとブランデーをお菓子に使って深みを出して仕上げるような感覚と似ていて、大人のデザートが出来上がります。

 

こちらの項目について一つずつ詳しくお伝えする記事をこれから書いていきますので、気になる方は、よければ本サイトのブックマークをお願いします。

 

●わからないならとりあえず試しちゃおう!飲みやすい日本酒5選

 

 

百聞は一見にしかず、ならぬ、百聞は一飲にしかず。

とりあえず、「飲みやすい日本酒」を飲んでみたい方におすすめの日本酒を5つ紹介します。

初心者の方へのおすすめなので、料理とのペアリングというより、お酒単体でも美味しく、

飲みやすい、比較的癖のない日本酒を紹介いたしますが、こちらを信用して試していただくのであれば、美味しいもの、好みのものを試していただきたいので、具体的な味も説明いたします。

1、寒菊 True White

 

 

見た目がシンプルでおしゃれなので、ご家庭でおしゃれなお料理の横に並んでいても、シンプルなお料理の横に並んでいても、違和感がありません。日本酒と知らずに飲んだ人は一瞬なんのお酒かわからないかもしれないほどの飲みやすさです。フレッシュさがあり、香りは爽やか。フルーツのようなジューシーさが特徴です。おりがらみタイプもありますので、より甘い日本酒が好みの人にはTrue Redをおすすめします。千葉県の寒菊銘醸の日本酒です。

2、出羽桜 雪女神

 

見た目もお味もすっきり爽やか。味は初心者の方におすすめしやすい飲みやすいものですが、実は今地酒好きに人気の「雪女神」という酒米を使っている、日本酒のコアなファンにも一目置かれるような日本酒です。

出羽桜は安定の酒質で不動の人気の地酒蔵です。ラベルの色が鮮やかなので、夏の爽やかなお料理や、レジャーなどにもいいデザインです。山形県の出羽桜酒造の日本酒です。

3、真澄 origarami sparkling

 

開け切りタイプなので、飲むときは飲み切れる人数で飲むのがおすすめです。

透明の日本酒ではなく、おりがらみといってすこし濁っているタイプの日本酒なので、少しクリーミーさがあります。お味は初心者の方向けですが、7号酵母という業界でも優良な酵母として知られる酵母を発見された蔵で、業界でも一目置かれる長野県の宮坂醸造のスパークリング日本酒です。

4、HINEMOS REIJI 赤色酒

 

 

こちらは見た目通りの甘い日本酒です。まるでいちごのような甘味を連想する香りがします。蜜のような滑らかで優しい口当たりです。お米由来の濃密な甘さがありながら、フレッシュな酸味があり、後味は軽やかです。単に「甘口」とは表現し難い新感覚の日本酒。疲れた心身を優しく癒してくれる。その日を締めくくるご褒美の一杯にどうぞ。​

5、榮光冨士 森のくまさん おりがらみ

 

 

ピチピチとしたフレッシュなガス感、澱の甘みと飯米の旨みが合わさった程よい飲み口ですが、後味はさらりとしている日本酒です。熊本県産の酒造好適米「森のくまさん」を使用した純米大吟醸のおりがらみ。冨士酒造の蔵元・加藤家の祖とされている加藤清正公が改築した「熊本城」が、2016年の熊本地熊本地震において被災し、被害総額は634億円と試算されています。もりのくまさんを購入して飲むと、売り上げの一部が寄付されます。

 

●プロに選んでもらおう!おまかせセットのサービス

 

 

お酒の知識に長けた利酒師におすすめのセットを聞いてみましょう。

あなたが好きな具体的な銘柄をいくつかあげたり、味の特徴を伝えることで、より好みに近いものを選んでもらえます。

 

予算や本数など、お好みに合わせておまかせセットを選んでみましょう。